研究論文での引用・参考文献の確認はPaperpalで自動化

April 26, 2023

研究論文は先行研究のうえに成り立つもので、そのプロセスは先行研究の振り返りから始まります。先行研究のレビューこそ、学術論文の核心なのです。学術出版では、論文を書く際に参照した文献（公表されたものでも未公表のものでも）は、引用・参考文献として扱われます。¹ 参照した文献の出典を適切に示すことは避けては通れません。そうすることで、他の研究者が（a）特定の情報をあなたがどこから入手したのかを知り、（b）あなたの研究で使用された情報を入手し、（c）科学的なアイデアの盗用・剽窃や不当表示を避け、（d）あなた自身の研究の新規性を保証することが可能になります。参考文献の記載を誤ると、アクセプト・出版の遅れ、盗用・剽窃を訴えられるリスク、あるいは出版した論文の撤回にまでつながるおそれがあります。研究論文での引用や参考文献の扱いは、一見簡単なようでいて、油断ならないものです。

参考文献と引用のスタイルは「執筆中の分野や、その原稿がどこで、誰によって出版され、読まれるのかによって異なります」。² 医学・臨床分野では米国医師会（AMA）のスタイルガイドに沿って引用と参考文献を記載しますし、化学の論文なら、通常、アメリカ化学会のガイドラインに準拠します。研究論文における引用や参考文献のやっかいな点は、注をつけるのか本文へ挿入するのか、イタリック体にするのか括弧を使うのかなど、対象とするジャーナルのスタイルガイドごとに異なるところです。そのような状況では、つねに更新されるスタイルガイドを完全に守るなど、できそうにありません。そこで、Paperpalを使うと、引用と参考文献を自動でチェックできます。

Paperpal：参考文献を自動で確認する 5つのチェック

Paperpalが提供する技術的なチェックの1つに、論文の引用と参考文献に関するものがあります。Paperpal for Manuscriptでは、現在のところ以下のチェックをご利用いただけます。

1. 参考文献数のカウント

参考文献の数は論文の種類やジャーナルのガイドラインにより異なります。Paperpalでは、文書を精査し、原稿に参考文献一覧があることと、5本以上（最大100本）の参考文献と引用が含まれていることを確認します。

2. 参考文献の新しさ

引用と参考文献は、最初期の重大論文でないかぎり、最近のものでなくてはなりません。Paperpalは自動的に参考文献一覧を精査し、文献の”年齢”を確認します。10以上前の文献には著者が確認できるようフラグがつきます。

3. アブストラクト（要旨）に引用がないか

アブストラクトはそれ自体が独立したセクションで、すべてではありませんがほとんどのジャーナルがアブストラクト内での引用を認めていません。Paperpalはアブストラクト箇所に引用が含まれていないかを確認します。

4. 参考文献一覧と引用箇所の対応

すべての参考文献が本文で引用されていないこともあれば、本文で引用されている文献が巻末の参考文献リストに含まれていないこともあります。これは余計な修正依頼や査読プロセスの遅れにつながります。Paperpalは本文内の引用と巻末の参考文献が対応しているか1つ1つ確認し、引用・参考文献の見落としを防ぎます。

5. 自己引用

自己引用とは、自分の別の論文を参照することです。自分の以前の成果を参考にして研究の背景や文脈を設定するための認められた手段ですが、あまりにも自己引用が多すぎると、自分の被引用数をかさ増ししようとしていると査読者から見なされることもあります。Paperpalは、自己引用数が15を越えるか、あるいは全参考文献数の80％を越える場合にフラグをつけます。これにより、偏りがなく適切な文献の引用を保証します。

PaperpalとPaperpal for Manuscriptを活用すると、研究論文の引用・参考文献の確認作業がこれまで以上に楽になります。すべきことは最終稿をアップロードするだけ。あとはすべてPaperpalにおまかせください。

対象とするジャーナルが決まっていない場合は、 Paperpal for Manuscriptを使うと、標準的な基準で自分の論文をチェックすることができます。

参考文献