カクタス・コミュニケーションズ、「研究者の身体活動・運動の実施状況、生活習慣および健康課題に関するレポート」を発表

~研究者の1日の座位時間は長く、「首筋や肩がこる」と「目が疲れる」などの身体愁訴を訴える一方で、66.6%の研究者が運動習慣の定着や改善に前向きな姿勢を示す~

2023年2月17日、日本 東京発:グローバルで研究者を支援する科学コミュニケーションおよびテクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズ(Cactus Communications、本社:インド、以下:カクタス)は、当社の「エディテージ」英文校正・学術翻訳・投稿支援サービスを日本のウェブサイトから利用したことがある研究者を対象に健康管理に関する調査を実施し、その調査報告書となる「研究者の身体活動・運動の実施状況、生活習慣および健康課題に関するレポート」を本日発表しました。

▶研究者の身体活動・運動の実施状況、生活習慣および健康課題に関するレポート

調査の目的と概要

日本の研究者は、研究活動、教育活動、臨床活動に加え大学運営や事務に関わる様々な業務を多忙にこなしており、これらの活動のためにプライベートな時間も多く割いています。また、研究の締め切りや成果などに追われることによるストレス、研究室での実験や調査、分析、論文執筆など身体を動かすことが少ない業務も多いと言われています。カクタスは、健康状態、特に体力や健康の維持・増進に必要な身体活動・運動の量や生活習慣、身体愁訴等について特有の課題を抱えているのではと考えました。

研究者を支援する立場であるカクタスは、この考えを基に、日本の研究者の健康課題を特定し、それに対する解決策などを今後提案することで、研究者がより健康に、精力的に、かつ生産的に研究活動に注力できるよう支援すべく、今回の調査を実施しました。

調査では、研究者の健康状態、自身の健康に対する認識、身体活動・運動の実施状況などをスポーツ庁やその他の機関が実施した一般の方を対象にした調査と比較し、身体愁訴に関する傾向を研究分野、調査手法、性別などに分けて分析しています。さらに、運動やスポーツの実施に対する意識を確認し、今後の提案につなげます。

調査方法

カクタスの「エディテージ」論文出版支援サービスを利用したことがある研究者を対象にアンケートを実施しました。2022年10月25日から11月14日までの期間に回答していただいた研究者のデータを集計しました。
・回答者数:826名
・性別:男性71.8%、女性26.8%、その他1.5%
・年代:40歳代41.4%、50歳代30.5、30歳代18.5%、60歳以上9.0%、20歳代0.6%
・職位:教授相当31.1%、准教授相当28.8%、講師相当13.8%、助教・助手相当13.6%、ポスドク研究員4.0%、大学院生1.9%、その他6.8%

レポートの総括と今後について

本アンケートの結果から、研究者特有の健康課題が抽出されました。

研究者の82.7%が「どちらかといえば健康である」、もしくは「健康である」と回答しました。そして、年代が高い研究者ほど、自分の健康状態や体力に対する自己評価が高い傾向が認められました。研究者全般として、一般の方に比べると自分の体力に対する自己評価が高い傾向にありました。しかし、一方では、研究者の54.5%が、健康診断や人間ドックで再検査や精密検査を受けるように指示されたことがあると回答しました。また、30歳代の研究者のうち自分は「健康である」と回答した方の割合は、同年代の一般の方の半数にとどまりました。そして約8割の研究者は運動不足を感じていました。

研究者は、一般の方に比べて座位時間が長い傾向にありました。その中でも女性研究者の方が男性研究者よりも座位時間が長い傾向にありました。身体活動・運動の実施状況に関しては、1日1時間以上の歩行、あるいは週に1時間以上の運動・スポーツを実施している研究者はともに約16%程度でした。つまり、研究者の多くは、厚生労働省の「健康日本21(第2次)」における20~64歳の歩数の目標値や「健康づくりのための身体活動基準2013」の基準値を満たしていない可能性があります。さらに、睡眠時間については、42.5%の研究者が6時間未満と回答し、10.4%の研究者が、ほぼ毎日十分な睡眠を取っていません。

運動・スポーツの実施状況や1日あたりの座位時間については、50%以上の研究者が、コロナ禍の前後で変わらないと回答していました。

研究者における有訴率が特に高い身体愁訴は、「首筋や肩がこる」と「目が疲れる」でした。研究領域、研究手法、性別などにより、身体愁訴の有訴率が異なる傾向も見受けられました。これらの身体愁訴について、7割以上の研究者が、運動・スポーツの実施により改善できる可能性があると回答しました。また、66.6%の研究者が、運動習慣の定着や改善に前向きな姿勢でした。1回当たりの運動・スポーツに対して30分くらいを費やせると回答した研究者が約半数を占めました。

日本の研究者の健康課題に関するレポートについて、カクタスの日本法人代表取締役であるである湯浅 誠は、次のように述べています、「本調査を通じて、研究者の運動時間や自身の健康に対する関心、抱えている身体愁訴などを把握する事ができました。またその内容を報告書にして公表する事で、研究業界外での認知の向上、今後の改善に向けての題材になればと期待しています。これからも様々な調査を実施し、皆様へ共有してまいりたいと思います。」

今回のアンケートには800名を超える方からの回答があり、自身の健康状態や生活習慣、運動・スポーツの実施に対して関心をもつ研究者が多いことが明らかとなりました。カクタスは、今回のアンケート結果をもとに、研究者の抱える健康課題に対する解決案をブログで提案していきます。「研究者の身体活動・運動の実施状況、生活習慣および健康課題に関するレポート」の詳細は、こちらをご参照ください。

▶研究者の身体活動・運動の実施状況、生活習慣および健康課題に関するレポート

【謝辞】本調査の実施及び分析にあたり、名古屋大学総合保健体育科学センター/教育発達科学研究科教育科学専攻生涯スポーツ科学講座 准教授 田中憲子先生から多くの助言をいただきました。

カクタス・コミュニケーションズについて(https://cactusglobal.com/jp/
カクタス・コミュニケーションズは、科学コミュニケーションおよびテクノロジーのグローバル企業です。カクタスは、エディテージ、カクタスライフサイエンス、リサーチャーライフ、インパクトサイエンス、ペーパーパル、カクタスラボ等のブランドの下で開発された革新的な製品やサービスを提供することにより、研究者、大学、出版社、学術組織、ライフサイエンス関連の組織の問題を解決します。カクタスは、プリンストン、ロンドン、オルフス、シンガポール、北京、上海、ソウル、東京、ムンバイに拠点があります。世界中に3千人以上の専門家を保有し、190カ国以上にお客様がいます。カクタスは、職場のベストプラクティスにおけるパイオニアと考えられ、過去数年間において、素晴らしい職場として常に上位の賞を受賞しています。

エディテージについて(https://www.editage.jp/
エディテージ (editage.com) は、2002年に創業し、英文校正、翻訳、文字起こし、出版支援サービスを通じて、2,000を超える分野において、50万人以上の研究者が学術誌に研究論文を発表する支援を行ってきました。その数はおよそ200万件に及びます。エディテージは、科学コミュニケーションズ&テクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズ (cactusglobal.com)のブランドです。

詳細は、以下までお問い合わせください
Titas Dutta
カクタス、リードコーポレートコミュニケーションズ
電子メール:titas.dutta@cactusglobal.com

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この記事を書いた人

エディテージはカクタス・コミュニケーションズが運営するサービスブランドです。学術論文校正・校閲、学術翻訳、論文投稿支援、テープ起こし・ナレーションといった全方位的な出版支援ソリューションを提供しています。

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