国際科学編集者会議(CSE)の年次大会が、5月21~23日の日程でサンディエゴで開催されました。今回のテーマは、「科学出版の未来に向けて、いざ出港」。一方、学術出版協会(SSP)の第39回年次大会は、5月31日~6月3日の日程でボストンで開催されました。参加者が1000人を超えたSSPの今大会のテーマは、「バランスを取る: 学術コミュニケーションの変化を受け入れつつ伝統を守る」というものでした。
エディテージは、著者とジャーナルそれぞれの認識のずれ(ギャップ)を埋めるために積極的な取り組みを行う中で、全分野を対象とした著者アンケートを実施しており、現在までに5000人を超える研究者から回答を得ています。そこで、アンケート調査の中間結果に基づく洞察を、上記の2つの大会で紹介しました。CSEとSSPいずれの大会も、アンケート結果を発表してジャーナル編集者や出版社に著者の意見を伝えるための絶好の場となりました。
写真上: エディテージが実施中の著者アンケートの中間結果を紹介するドナルド・サミュラック
エディテージ米国法人代表のドナルド・サミュラックは、アンケート結果への反応に対する感謝を次のように述べました。「我々は、詳細な調査の中間結果を分析し、今大会でジャーナル編集者と出版社にさまざまな視点を提示しました。著者とジャーナルのギャップを埋めるには、著者とジャーナルそれぞれの見方の違いを知ることが重要です。出版業界の発展は、著者の協力なしにはあり得ません。ジャーナルと出版社が著者の声に真摯に耳を傾ける様子を見ることができ、嬉しく思います」。
写真上: ボストンで開催された第39回SSP年次大会で出版社に紹介された、著者の「泣き所」。
いずれの大会でも、テーマとして注目されていたのは「業界の未来と展望の変化」です。2017CSE大会でのマリー・クレア・キング(Dr. Mary-Claire King)博士による基調講演では、大会のテーマに沿う形で、ジャーナル編集者の重要性が語られ、ジャーナル編集者に対する著者の見方が紹介されました。SSP大会では、今回2件の基調講演が行われました。サイエンス誌シニア・コレスポンデント(上級記者)のジェフリー・マービス(Jeffrey Mervis)氏は、「政府、科学、科学政策」と題した講演を実施。もう1人の講演者であるジョージア州立大学政策研究センターの経済学部教授/シニア・アソシエイトのパウラ・ステファン(Paula Stephan)氏は、若手研究者が直面する課題について語り、学術界の未来のトレンドを予測しました。 両大会のディスカッションで明らかになったのは、学術コミュニケーション界は、著者のニーズに取り組むことの重要性を理解しているということです。出版社もジャーナル編集者も、業界の方向性に対する著者の考え方を知ることに強い意欲を見せていました。このため、エディテージによるアンケート調査の結果発表は、両大会で非常に人気を集めたセッションとなりました。
学術出版協会(SSP)について
1978年設立のSSPは、ネットワーキング、情報拡散、学術出版界における新展開の円滑化を通じて、業界のあらゆるセクターのコミュニケーションを促進することを目的として作られた非営利組織です。
国際科学編集者会議(CSE)について
CSEは、科学出版における編集のプロフェッショナルのための、会員制国際組織です。科学界、科学出版界、情報科学コミュニティから800を超える会員を擁し、ネットワーキング、教育、ディスカッション、交流を支援しています。
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