研究論文に図を入れる方法

研究論文を作成する際、図は軽視されがちです。しかし実際には、研究論文であっても読者に視覚的に訴えるものでなければならず、そのための最善の方法は、表や図を加えて読みやすくすることです。

一般的に、読者は短時間で多くの情報を伝えることができるため、視覚的な情報に惹かれます。したがって、長くて濃い文章を読むよりも、ビジュアルを理解することが望まれます。

この記事では、視覚情報を増やし、データの理解を容易にするために、研究論文に図を入れる方法について解説します。

研究論文で図を使うタイミングは?

研究を計画する際には、自分の主張を裏付けるあらゆるツールを使って、読者に情報を伝える最善の方法を見極める必要があります。

表や図の必要性を判断する良い方法は、自分の主張が1~2文で説明できるかどうかを理解することです。説明できる場合、表や図はおそらく不要です。 

短い文章で説明できないほどデータが広範であったり、複雑であったりする場合は、研究を混乱させることなく多くの情報を効果的に伝えることができる図や表を使用することをおすすめします。

表と図のどちらを使う?

この記事では、研究論文に図を入れる方法について説明するだけでなく、表と図のどちらが最適かについても説明します。

数値データやその他の要約データをコンパクトなスペースで表示する必要がある場合、表は理想的な方法です。また、異なる種類のデータを組み合わせて比較対照したり、いくつかの特性や変数を含む項目を示したり、あるいはこれらの特性がないことを示しすのにも、表は良い方法です。

図は、パターン、傾向、データ間の関係性を示す必要がある場合に用います。表とは対照的に、図はデータそのものよりもパターンを強調するために用いられます。図は、一連の出来事、手順、質、属性を視覚的に説明したり、研究結果を要約するために使用することができます。グラフ、データプロット、マップ、円グラフなど、図には数多くの選択肢があります。

最後に、テキストはデータが大きすぎたり、描写が困難でない場合に使用すべきです(例えば、そのデータの表を作成すると、2列以下の表を作成することになる場合など)。

研究論文に図はいくつ入れるべき?

研究論文に含める図や表の数に制限はありませんが、多すぎるとデータの理解を妨げる可能性があります。したがって、図や表を入れることを検討する際は、研究論文の読みやすさを念頭に置いてください。

研究論文では、表を5個以下、図を8個以下にすることが推奨されます。

研究論文に図を入れるには

前述したように、研究論文に図や表を取り入れることは、データを要約するのに役立ち、短時間で大量の情報を求める読者にとって、論文をより美しく魅力的なものにします。

以下に研究論文に図を入れるコツとガイドを紹介します。

・研究論文の図はどこに入れる?
研究論文では、図はページの中央、最初に言及された場所の近く、できればデータが言及された段落のすぐ下に記載する必要があります。

・図の説明(キャプション)
すべての図には番号を付け、その後に、提供されたデータを説明する簡潔で分かりやすい文を付けなければなりません。図の重要な部分は、キャプションで強調することができます。図は一般的に左から右に読まれることを考慮し、キャプションは図の左下に配置します。

(参考:International Science Editing)

・画像
図を選ぶときは、わかりやすい画像であることを考慮しましょう。図の大きさ、解像度、色にも配慮してください。

データが明確であるためには、図は適切な大きさで、高解像度である必要があります。図を入れる際には要素も重要です。色、線、アイコンなどを使いますが、情報をコード化するためではなく、効果を加えるために使用します。図は要素がなくても理解できるものでなければなりません。

・追加情報
入れた図を理解するために必要な追加情報を必ず記載してください。グラフの場合は、ラベル、凡例、記号の説明、チェックマークなどを盛り込みます。また、マップの場合は、縮尺表示、コンパスローズ、または北矢印を必ず入れてください。

研究論文に図を入れるためのベストプラクティス

研究論文は多くの作業を必要とする重要な文書であり、確かな統計と卓越した情報を持つことが最優先されなければなりません。そこで、研究論文に図を入れる際のベストプラクティスを紹介します。

  • データの種類によって適切な図は異なります。図の選び方を誤ると、研究の理解がさらに難しくなる可能性があります。
  • 読みやすさを優先しましょう。理解しにくい図は、単なる画像として認識されます。データを区別し、情報が重複しないように注意しましょう。読みやすさを最大限に高めるレイアウトを選択してください。
  • 図から余計な情報を取り除きます。データは複雑になるため、データの最も重要な側面を強調する、シンプルでエレガントでわかりやすいデザインに集中します。
  • 正確性を追求し、データの誤解につながる可能性のあるあらゆる種類のエラーを回避するために、数字を再確認してください。

避けるべきよくある間違い

  • 軸のタイトルや凡例が分かりにくい、または重複しているもの。理解しやすく、研究で追加した参考文献と一貫性のあるタイトルと説明に重点を置いてください。
  • デザインに一貫性がないもの。1つの研究に複数のデザインがあると、読者が各図を把握するのが難しくなる可能性があります。フォント、サイズ、マーカー、線などを一貫して使用するようにしましょう。
  • ランダムな色。黄色やベージュなど、読みにくい色の使用は避けましょう。また、色覚異常の人が見るためには、赤や緑は避けた方が無難です。

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