若手研究者の挑戦を称え、未来のネットワークを築く場-「エディテージ・グラント2024 授賞式&パーティー」レポート

2024年9月20日、「エディテージ・グラント2024授賞式&パーティー」を開催しました。本イベントは、2024年1月の事前登録開始から約1年をかけて進めてきた「若手研究者助成金プログラム エディテージ・グラント2024」の集大成です。昨年の授賞式を参考に、温かみのあるアットホームな雰囲気を大切にしながら、助成金を受け取った研究者やゲストを含む総勢80名が参加し、授賞式とパーティーを実施しました。

この記事では、「エディテージ・グラント2024」の概要や、イベント当日の様子をダイジェスト動画とともにお届けします。

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受賞者とゲストが集う特別なひととき—グラント授与式の舞台裏

今年の授賞式は、東京都内にある洗練されたレストラン「The Place of Tokyo」で開催されました。イベントには、助成金を受け取った受賞者をはじめ、審査員、グラント申請者や過去の受賞者、アカデミアで活躍する研究者、科学技術政策の専門家、そして科学ジャーナリストの皆様など、多彩な顔ぶれが集まりました。

今回は、前回行ったミニシンポジウムの形式から一新し、ネットワーキングを中心に据えた内容に。研究者同士やゲストとの交流を通じて、未来の研究活動につながる新たな出会いを生み出すことを主な目的としました。参加者がリラックスした雰囲気の中でつながりを深める場となり、意義のあるひとときとなりました。

若手研究者に自由を提供するエディテージ・グラント

「エディテージ・グラント」は、若手研究者に研究活動の自由と支援を提供することを目的とした、エディテージ独自の助成金プログラムです。2024年に実施された今回のプログラムでは、22歳から39歳までの研究費支援を受けていない若手研究者を対象に実施されました。

このプログラムは、通常の研究費申請の枠から外れがちな方々を支援するために設計されています。具体的には、応募資格が制限された研究費にアクセスできない立場の方、研究テーマが独創的すぎて科研費に採択されなかった方、または特定分野に偏った財団や企業の助成に応募できなかった方など、多様な背景を持つ研究者が対象です。こうした方々が基礎研究をスタートするための助成金として、研究活動の新たな第一歩をサポートします。

エディテージ・グラント2024

このグラントは、研究者を最も身近で支えたいというエディテージの思いから2012年にスタートし、今年で6回目を迎えました。これまでに累計976件の応募があり、その中から100名の研究者が支援を受けています。そして、今年度は過去最大となる360名の方々からご応募をいただきました。この場を借りて、熱意あふれるご応募に心より感謝申し上げます!

使途は自由、報告義務なしの100万円研究費

2024年の「エディテージ・グラント」では、大賞受賞者5名にそれぞれ100万円を、さらにこの中から1名に最優秀賞として100万円、計200万円の助成金を提供しました。この助成金の最大の特徴は、資金の使途に関する申請や報告の義務がない点です。応募時には100万円の予算の使途を申告いただき、それが審査対象となりますが、受賞後は資金利用に煩雑な手続きを必要としません。

受賞者それぞれが所属機関と相談しながら、最適な方法で資金を活用しています。たとえば、自己資金として直接利用する場合や、大学への寄付金として活用する場合など、自由度の高い使い方が可能です。

また、この助成金のもう一つの特徴は、基礎研究であれば分野やテーマを問わないことです。多くの企業や財団の研究費は特定の領域に限定されることが多く、申請できる研究者が限られます。一方で、エディテージはそのような制限を設けず、幅広い分野の研究者を支援対象としています。この柔軟でオープンな性質は、私たちのような民間企業が提供する助成金ならではの強みと言えるでしょう。

こうした取り組みはまだ規模が小さいかもしれませんが、他の企業も自由度の高い助成金提供を検討するきっかけになればと願っています。

エディテージグラント2024の最優秀賞に輝いた三代川夏子さん(右)と、審査員の原山優子さん(左)
エディテージグラント2024の最優秀賞に輝いた三代川夏子さん(右)と、審査員の原山優子さん(左)

アカデミアを代表する審査員の協力

今回も審査には、若手研究者の支援のために、アカデミアから4名の審査員にご協力いただきました。審査員の皆様は、書類審査や最終選考に残った10名へのオンラインインタビューを通じて、候補者を丁寧に評価してくださいました。専門的な視点と多様な経験を持つ審査員の皆様のお力添えにより、公平かつ充実した選考が実現しました。

  • 湯浅 誠
    カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役
    リサーチソリューションズ事業 Chief Growth Officer (CGO)
  • 隠岐 さや香
    東京大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻(基礎教育学コース) 教授
  • 岸村 顕広
    九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授
  • 早野 元詞
    慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室 特任講師
  • 原山 優子
    東北大学大学院工学研究科名誉教授、ISCフェロー

審査員からの鋭い質問と温かいフィードバック

最終選考のインタビューでは、プレゼンテーション形式で進行し、審査員の皆様が候補者に質問を投げかける形を採用しました。申請者の皆さんは事前準備を万全に整え、素晴らしい発表を披露してくださり、その熱意や研究内容に審査員の皆様も感銘を受けていました。審査員からは、的確なフィードバックや意見、そして励ましの言葉が寄せられ、候補者にとって大きな学びと力になったことでしょう。

1年にわたる挑戦と支援への思い

エディテージ・グラントは、企画段階から授賞式に至るまで約1年をかけて実現しています。この間、エディテージのスタッフ一同は、告知や審査プロセス、イベント準備において試行錯誤を繰り返しながら取り組みました。全応募者の方々の期待にすべて応えきれないもどかしさを感じつつも、グラント受賞者の皆様をはじめ、研究者のキャリア全般を支えるために何ができるかを常に模索しています。

エディテージは今後も、研究者の皆様にとって実り多い支援を提供できるよう、全力を尽くしてまいります。

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この記事を書いた人

エディテージはカクタス・コミュニケーションズが運営するサービスブランドです。学術論文校正・校閲、学術翻訳、論文投稿支援、テープ起こし・ナレーションといった全方位的な出版支援ソリューションを提供しています。

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