2023年度のエディテージ・グラントでは、大賞受賞者5名および次点受賞者15名の合計20名が選ばれました。エディテージ・グラント2023の概要については、以下のページをご覧ください。
⇒エディテージ・グラント2023
大賞受賞者(5名)
「エディテージ・グラント2023」大賞受賞者5名の氏名、所属、職位、研究分野・研究概要は以下の通りです。
木村圭一
大学/所属機関:東京大学 緑地創成学研究室
職位:博士課程学生
研究テーマ:
Land greening by cyanobacteria
シアノバクテリアによる土地の緑化
「バイオクラストは、土地の砂漠化と闘うための新しい戦略となりえます。バイオクラストは効果的ではありますが、風による生態系の破壊に対して敏感であるという課題があります。今回提案された研究では、光合成の阻害、湿度の除去、および土壌の除去/追加といった風による相乗効果がバイオクラストに及ぼす影響を研究し、より良い土地再生戦略の実装についての示唆を提供します。
藤田綾
大学/所属機関:オックスフォード大学
職位:博士課程学生
研究テーマ:
Effectiveness of School-based Mental Health and Psychosocial Support Interventions for Refugee and Internally Displaced Children in Low- and Middle-Income Countries
低所得および中所得国における難民や国内避難民の子供たちを対象とした学校ベースのメンタルヘルスおよび心理社会的支援介入の効果について
「2022年6月から8月にかけて、学齢期の難民子どもに対する心の健康と心理社会的支援(MHPSS)介入の有効性について、22の研究を対象に系統的レビューとメタ分析が行われました。その結果、機能的障害と心的外傷後ストレス障害の低減においてはポジティブな効果が見られましたが、うつ病、不安症状、および心的外傷後ストレス症候群の軽減には効果がみられませんでした」
中村尚司
大学/所属機関:九州大学
職位:博士課程学生
研究テーマ:
The vision of the scientist and the pharmacist in the era of immunotherapy
免疫療法の時代における科学者と薬剤師のヴィジョン
「白血病患者は、しばしば造血幹細胞移植後に、移植片の免疫細胞が患者の体内の細胞を攻撃する移植片対宿主病(GVHD)を発症します。この状態は、移植片の免疫細胞を抑制するための薬剤であるタクロリムスの存在下でも発生します。私たちの体の免疫細胞に発現するトランスポーター分子であるP-糖タンパク質は、細胞内の薬物を排出することによってその生物学的利用可能性を減少させることが示されています。提案されている研究では、この分子のGVHDにおける潜在的な役割を調査することを目的としています。」
王婷
大学/所属機関:北海道大学
職位:博士研究員
研究テーマ:
A necessary management framework for mitigating soil erosion issue in mountain national parks
山岳国立公園における土壌侵食問題を軽減するための必要な管理フレームワーク
「本研究では、SFM(運動からの構造)写真測量法と正規化された差分植生指数カメラを搭載したドローンを使用して、ネパールと日本の特定の国立公園におけるキャンプ地の標高変化と植生回復の証拠を検出しています。これらのツールは、山岳国立公園のトレイルやキャンプ地における土壌侵食の監視に効果的であり、他の新しい技術と組み合わせることで、国立公園管理者がこれらの地域をより良く維持するのに役立ちます。」
三好裕之
大学/所属機関:インペリアル・カレッジ・ロンドン
職位:博士課程学生
研究テーマ:
The Stability Analysis of Superhydrophobic Channel Flows
超撥水性チャネル流の安定性解析
「超撥水表面は、微小な溝内に液体を閉じ込めることで液体を反発させます。しかし、溶存空気のせいで液体が溝に浸入すると、表面の耐久性が低下します。等角写像を使用し、電気容量問題としての空気の溶解を解くことで、空気の溶解速度とそれに伴う表面の耐久性を推定することができます」
次点受賞者
「エディテージ・グラント2023」の次点受賞者は15名です。そのうち記名にご了承いただいた13名の方は以下の通りです。
吉岡 毅
大学/所属機関:京都大学
職位:博士課程学生
研究テーマ:
Application of cognitive psychology into vocational rehabilitation: A researcher as a clinician
職業リハビリテーションへの認知心理学の応用:研究者としての臨床家
中原理沙
大学/所属機関:アイオワ大学
職位:博士課程学生
研究テーマ:
The history of higher education and the history of women in science
高等教育の歴史と科学における女性の歴史
土方 禎裕
大学/所属機関:新百合ヶ丘総合病院/東京歯科医科大学
職位:医療専門家
研究テーマ:
Research on trends of cardiovascular disease using national cohort data
全国コホートデータを用いた心血管疾患の傾向に関する研究
譚瀟洋
大学/所属機関:地球環境戦略研究機関(IGES)
職位:研究員
研究テーマ:
Toward sustainable and resilient city through urban green infrastructure (UGI):integrative urban tree-based ecosystem services assessment and planning
都市緑地インフラ(UGI)を通じた持続可能で強靭な都市への取り組み:統合的な都市樹木をベースにした生態系サービス評価と計画
寺尾 俊紀
大学/所属機関:岡山大学病院
職位:大学院生
研究テーマ:
Translating clinical research into basic research to cure and prevent graft versus host disease
移植片対宿主病の治療と予防にむけた臨床研究から基礎研究への転換
湯浅 大史
大学/所属機関:藤田医科大学
職位:博士課程学生
研究テーマ:
Analysis of the mechanism controlling B cell receptor signaling by glycosphingolipid CD77
スフィンゴ糖脂質CD77によるB細胞レセプターシグナル制御機構の解析
大森幸恵
大学/所属機関:九州大学
職位:博士課程学生
研究テーマ:
Elucidation of genetic determinants of PARP inhibitor resistance and development of methods to overcome such resistance in breast cancer
乳癌におけるPARP阻害剤耐性の遺伝的決定因子の解明とその克服法の開発
吉原 育実
大学/所属機関:順天堂大学浦安病院
職位:博士課程学生
研究テーマ:
Improvement and suppression of septic muscle atrophy by AMP administration
AMP投与による敗血症性筋萎縮の改善と抑制
ゴン・ルイ
大学/所属機関:目白大学
職位:講師
研究テーマ:
An IoT device for mitigating smartphone-induced repetitive strain injuries (RSIs) in finger soft tissues
スマートフォンが誘発する指軟部組織の反復疲労損傷(RSI)を軽減するIoTデバイス
沼田 賢治
大学/所属機関:聖マリアンナ医科大学病院
職位:医療専門家
研究テーマ:
Medical Professional Topic: End-of-Life care in emergency medicine
医療従事者のトピック: 救急医療における終末期医療
田原 瑠衣
大学/所属機関:宇宙航空研究開発機構(ISAS)
職位:研究員
研究テーマ:
A comparative study of the asteroid Ryugu samples between micro- and nano-CT imaging systems
マイクロCTとナノCTによる小惑星リュウグウ試料の比較研究
内藤 千絵
大学/所属機関:シンシナティ小児病院医療センター
職位:研究員
研究テーマ:
Investigation in the pathophysiology of progressive familial intrahepatic cholestasis
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の病態生理学的検討
シャリファ・ムナワラ
大学/所属機関:筑波大学
職位:博士課程学生
研究テーマ:
Towards a trustworthy collision system for autonomous vehicles with AI
AIによる自律走行車の信頼できる衝突システムに向けて