研究者の皆さんにとって、グラントの獲得は重要なステップです。今回、グラント実行委員のくもMさんに、これまでの審査経験をもとに、応募を予定されている方へのアドバイスを伺いました。

くもMさん経歴
くもM
サイエンスコミュニケーター
奈良県を中心に子どもたちの学びが楽しいものへと変わるような実験教室、サイエンスショーを開催している。また、YouTubeチャンネル「Science Talks TV」ではくもM LABという企画で、全国の研究者にインタビューをしている。
1. 指定形式を守り、文字数を適切に!
他の申請書をそのままもってくるような、エッセイが指定された形式でないものはもちろんですが、著しく文字数が少ないものも意図が伝わりづらく、審査の対象外となります。応募要項をよく読み、フォーマットや文字数の要件をしっかり確認することが重要です。基本的なルールを守っていただくことが、審査に進むための最低条件となります。
また、図や表は必要に応じて利用いただきたいですが、たくさん入れれば良いというものではありません。適切な量と質の図表を使い視覚的に補助することで、わかりやすさを向上させてください。多用しすぎると逆に伝わりにくくなるため、バランスを考えることが大切です。
2. 分かりやすい表現を心がける!
専門的すぎて分かりにくいエッセイは評価が下がってしまいます。どんなに優れた研究であっても、伝わらなければ意味がありません。エディテージ・グラントの審査員は多分野に渡りますが、全ての専門性をカバーしているわけではありません。専門外の審査員にも理解できるように、わかりやすい言葉で説明してください。
3. 100万円の使い道を明確に!
研究費として100万円は決して多い額ではありません。だからこそ、「なぜ自分には100万円が必要なのか?」「この100万円をどのように使うのか?」を具体的に記述しているエッセイは非常に印象が良いです。特に、専門外の分野に関わる費用については、審査員がコスト感覚を持ちにくいため、詳細な内訳が書かれていると理解しやすく、評価が上がる傾向にあります。
4. 実績よりも『想い』を伝える!
これまでの実績を箇条書きでたくさん書きつらねるよりも、「なぜその研究テーマを選んだのか」「研究の先にどんな未来を思い描いているのか」というような想い・考えをしっかり書いていただいたほうが、より高い評価をつけたくなります。研究の背景や動機、目標を明確にし、ご自身の研究への熱意が伝わるようにしましょう。
5. 自分の研究への熱意を伝える!
ご自身で考えた研究テーマではなく、流れで研究を続けているな、という印象をどうしても受けてしまう方も中にはおられます。「なぜ自分はその研究をしているのか?」「なぜその研究は自分にしかできないのか?」を明確にし、ご自身の過去の経験や技術などを明確に記載している方からは、自分の研究に対する熱い思いが伝わり、審査員の心に響きやすくなります。
くもMさんのアドバイスを参考に、ぜひ魅力的な応募書類を作成してください!
