英語が科学の世界共通語となるなか、世界中の多くの研究者が、学術翻訳と母語以外の言語での研究成果報告という課題に直面しています。国際STM出版社協会が発行する『STM Global Brief 2021 – Economics & Market Size』1によると、大多数の研究論文は英語が第一言語でない国の研究者の手によるものです。下のグラフを見ると、人口100万人あたりの研究者数では、韓国、中国、日本がアジア市場を占めており、次いでドイツ、フランス、イタリア、スペインなどのヨーロッパ諸国が名を連ねます。
英語を第二言語とする研究者の英語力はさまざまで、多くの場合、まとまりのある強力な論文を書くために、特別な学術翻訳のサポートが必要とされます。また、多くの著者は第一言語で思考し、そのアイデアを英語に置き換えようとするため、母語での推論により執筆プロセスが遅れることもあります。
Paperpal利用者の声を聞くと、多くの研究者は自分の考えを正しく伝え、英語の語彙の選択肢を広げるためにDeepL翻訳やGoogle翻訳といった英語翻訳ツールを活用しているようです。学術翻訳プロセスについて注目すべき知見は、翻訳者が文章の推敲過程で何度も文法チェッカーを活用するのに対し、著者は機械翻訳ツールの結果が信頼できるかを確認するために文法チェッカーを用いる傾向があることです。
学術翻訳サポートと言語表現の改善提案を一元化
Paperpalでは、よい文章を書くことと効率的に書くことは同じくらい重要であると理解しています。学術翻訳とたび重なる推敲プロセスのなかで、ブラウザのタブとWord文書を行き来していると、不必要に文脈を切り替えることになるために集中力が低下し、作業が遅れてしまう可能性があります。そこで、ユーザーの作業を簡易化・効率化するために、直感的な「翻訳」機能をPaperpalに統合し、ウェブ版でもWord版でも学術翻訳を直接利用できるようにしました。
学術翻訳のための「Translate」カードを表示するには、Paperpalのウェブ版でもWordでも、英訳したい文を選択するだけです。「Translate」カードが表示されたら、クリックして展開してください。
当社の機械翻訳ツールのアルゴリズムは、まずソース言語を検知し、その結果を英語で出力します。翻訳されたテキストを文書にコピーすると、自動的に言語チェックが実行されます。
画像では日本語が示されていますが、本言語翻訳ツールは、日本語のほかに中国語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語など、研究論文の多い国々25カ国以上の言語をサポートしています。
Paperpalに搭載された高品質なニューラル機械翻訳
長らく機械翻訳ツールの品質は不確かであったため、Paperpalの学術翻訳機能が、特に研究論文の執筆に通用するのか疑問に思うのも当然です。しかし機械翻訳ツールは、1990年代に最初に開発されたルールベース型のプロトタイプ以来、大幅な進化を遂げてきました。2016年頃のニューラル機械翻訳(NMT)モデルの登場は、品質面と性能面で大きなブレークスルーとなりました。
今、機械翻訳ツールはかつてなく普及しており、ドイツの機械翻訳サービスDeepLが、特に日本で人気を集めています2 。DeepLは自社の技術を公開していませんが、学術翻訳においてGoogle翻訳など大手テックソリューションを凌駕することで有名です。ユーザー達の間でも、そのオンライン機械翻訳ツールが専門的な文脈でもニュアンスを正確に捉え、効果的に考えを伝えてくれると好評を博しています。
学術ライティングに強い、最高品質の翻訳出力を私たちのユーザーにも活用していただけるよう、当社の製品では25カ国語以上に対応したDeepLを主に利用しています。
Paperpalの便利な翻訳機能を活用すると、学術翻訳を瞬時に進め、自信をもって英語で執筆することができます。Paperpalのウェブ版かWord版をすぐにお試しください。
参考文献
- STM Global Brief 2021 – Economics & Market Size
https://www.stm-assoc.org/2022_08_24_STM_White_Report_a4_v15.pdf(最終アクセス日: 2022年12月21日) - SimilarWeb
https://www.similarweb.com/website/deepl.com/#traffic (最終アクセス日:2022年12月21日)